スイカちゃん物語
スイカちゃん物語1

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実は残念な事に最初の数話は無くなってしまいましたので、おおまかなストーリーを書いておきます。

千ちゃんは小作人さんから「熊本から流したスイカが北海道まで流れてくれないのでなんとかして〜」と助けを求められ、単身クルーザーで東京湾まで救出に。真夜中の海に飛び込み無事助け出し、茨城の大津港まで深夜の東名高速をひた走る。しかし大津港へ辿りつたものの菊ノ助なる怪しい人物に誘拐されてしまう。地元警察に協力してもらい捜索は続いたが見つからない。実はスイカちゃんは変装したアルセーヌルパンにイギリスまで連れて来られてしまったのです。

気がつけば霧のロンドン。何と時代を超えて80年代のイギリスにいたのです。
目が覚めたスイカちゃんを切り裂きジャックの事件を調べていたシャーロック・ホームズと結婚式帰りのワトソンに拾われ、スイカちゃんは一晩をシャーロックホームズの自宅で楽しく過ごしました。

翌日イギリス観光をしながらスイカちゃんはワトソンの車で一路ストーンサークルへ。

投稿者:にゃんこ 2006/06/

ロンドン市街を抜け、ストーンサークルに向かったスイカちゃん♪

街並みを眺めながら、やがて見えてきたストーンサークル。
古代の時計のような役割なのか、それとも暦なのか・・・。
不思議な雰囲気を漂わせながら、ストーンサークルは静かにスイカちゃんを迎え入れました。

スイカちゃんがストーンサークルの中心に踏み入れた瞬間、とてつもなく激しい音と振動、そして眩しすぎる光がスイカちゃんを覆うように現れ、時間にしてほんの数秒のことだったのか、次の瞬間にはスイカちゃんの姿はなく、そこにはもとの静かにたたずんでいるストーンサークルがあるだけでした。

驚いたことに、ストーンサークルの中心にいたスイカちゃんは、時を越え、人類の生まれる遥か昔の世界にいたのです。

そこでスイカちゃんが見たものは、今までの世界とはまったく違うものでした。

見覚えのない植物、見覚えのない魚、そして象よりも大きなトカゲのような生き物。
どうやらスイカちゃんは、恐竜時代へタイムスリップしてきたようです。

好奇心旺盛なスイカちゃんは、驚きよりもワクワクした気持ちの方が強く、すでにあちこちに移動を開始していました。

夏のような気候に、気持ち良さそうな川。

たまらずスイカちゃんは川に入り、どんぶらこ、どんぶらこ♪
ウキウキ、ワクワク。このまま川を下っていくと、どんなところに出るんでしょう?

と、その時! 巨大な恐竜たちがスイカちゃんを見つけ、襲いかかろうとしてきました!!

これにはさすがのスイカちゃんもビックリ!
あわてて川から出て逃げ出すも、数多くの恐竜たちに追われ、とても逃げきれません!
しかも前方には崖が迫っています。

そこでスイカちゃんは、気持ちを落ち着かせるために歌をうたいました。

「♪風にゆれるシダの木々に
 海では魚の群れに続く アンモナイトの群れ

 永遠の楽園 滅びのない世界にしようよ
 ツメやキバを捨てて 上を見上げ
 太陽をみつめ 光をうけて

 さあ 歩き出そう♪」

すると、どうでしょう。あれだけいきり立っていた恐竜たちが、おとなしく引き上げていき、一匹の翼竜だけが残りました。

スイカちゃんは翼竜の背中に乗せてもらい、この広い世界を見回します。

なんて広々とした世界なんでしょう。

ゆっくりと時が流れるような不思議なこの世界を、なんだかスイカちゃんは気に入ってしまったようです。

「あの大きな山にいってみたい。」
と、翼竜にお願いして、いざそこへ向かおうとしたその時、突風に襲われ、スイカちゃんは翼竜の背中から落ちてしまいます。

ヒューーーー!! 

その時、またもスイカちゃんを大きな音と光が包み込み、恐竜時代から姿を消しました。

ザザーン、という波の音と、心地よい風に吹かれ、目覚めてみるとそこは現代の日本、関東地方でした。

・・・・・夢だったんでしょうか?

いいえ、違います。その証拠に、スイカちゃんの頭の上には、恐竜時代のシダ植物で作った帽子があったのですから・・・・。

投稿者:千 2006/06/05

 ぶるぶるぶる…。急な寒気に襲われてスイカちゃんは目を醒ましました。
 目の前には白い山がそびえ海岸線には青く輝く氷の壁。

「ここは何処なんだろう?」あたりを見回していると、変な生き物がいきなり現われスイカちゃんを鷲掴みにしグルンッと身体をひねりました。
「うひゃぁー恐いよぅー」咄嗟に眼を瞑ったスイカちゃんが次に眼をあけると何時の間にか水の上に出ていました。目の前にはとぼけたような変な顔。
「こんにちは、ぼくラッコのラリー。君のような子が何時までもこんな冷たい海にいたらスイカアイスになっちゃうよ。しばらくぼくのお腹の上で休みなよ。」

 仰向けになったラリーのお腹はぷよぷよで暖かくやわらかなお布団みたい。スイカちゃんはボーッとしながらここが何処なのかラリーに尋ねました。
「ここはアイスランドだよ」。
 なんとスイカちゃんは寝過ごしてアイスランドまで流されていたのです。

「白い山はロッキー山脈で、あの氷の丘のようなものはパルサさ。」「パルサ?」聞いたことのない名前です。「ここは年中寒いから「永久凍土」といって地面が凍ったままなんだ。夏に表面が少し溶けても地面に染み込んで地中でまた凍っちゃう。その氷が膨らんで地面を押し上げて丘になる。それがパルサ」。
「それじゃ、ここは氷の島なの。寒いはずだね」スイカちゃんはラリーのふかふかの毛皮にしがみつきました。

「日本は遠いのかな?」「日本っ!?日本は反対側だよ。この大陸を渡った向こうさ」。どうしよう、ママさんに会えない…青ざめるスイカちゃんにラリーが言いました。
「仕方ない、カナダの入り江ハドソン・ベイまで連れて行ってやる。そしたらヒッチハイクして観光がてら大陸横断すれば良いよ、なっ!」少し元気が出たスイカちゃんはラリーと一緒にハドソン・ベイを目指すことにしました。

投稿者:にゃんこ 2006/06/07 04:04:07

スイカちゃん、日本にいないんですか?\(◎o◎)/

カナダの港から大型船に乗り、ゆったりと船の旅を続けるスイカちゃん♪

雲ひとつない空に、気持ちのいい潮風が頬を通り過ぎていきます。

船内へ行ってみると、そこは沢山の観光客で賑わいを見せながら、みんなの希望を語る場となっていました。

「俺は○○○でひともうけさ!」

「あたしは○○○で有名に♪」

スイカちゃんは人々の夢や希望のあふれる雰囲気が大好きです。

つい雰囲気につられ、スイカちゃんは歌いました。

「♪自由にどこまでも 歩いていこう
 いつまでも君のままでいて

 それが誰かを幸せにするから
 わたしもわたしのままでいよう

 ひとりひとりの夢があつまり
 やがて虹になる 風になる

 たとえ壁に出会っても
 自分の力を信じよう♪」
 
その場で聞いていた人々は、とても心が温まります。
「ありがとう! 元気が出るよ。」

「よかったら、あたしと一緒に来ない?歓迎するよ♪」

そんなみんなの声と、こみ上げてくるうれしい気持ちに、スイカちゃんは感激の涙を流します。

「ありがとう・・ありがとう。 みんな、一緒にがんばろうね・・・。」

ママさんのもとへ行くという、大事な旅の目的を告げ、涙ながらにスイカちゃんは手を振りながら、その場を立ち去りました。

船内のみんなと、勇気と元気を分け合い、気持ちを新たにスイカちゃんは日本を目指します。

がんばれ、スイカちゃん!!

・・・・・ってなトコでいかがでしょう?(*^^*)

いつも歌まじりでごめんなさいですぅ〜〜〜。

「スイカちゃん、新潟へ」

投稿者:にゃんこ 2006/06

新潟へ到着したスイカちゃん。
そこで、たんぽぽの綿毛の案内を受けて、スイカちゃんは稲の子たちの様子を見に行きます。

すると、たんぽぽの綿毛の言っていた通り、稲の子たちは皆元気がなく、しょんぼりとしているではありませんか。

「ぼくたちの大切なお友達のたんぽぽさんが、綿毛を飛ばすたびに元気がなくなっていくんだ。」

「それが心配で心配で・・・。」

そうです。 稲の子たちは、花を咲かせた後の、たんぽぽの綿毛を飛ばす様子を見るたびに、力を失うようにしていくその姿を見て、不安な気持ちに覆われていたのでした。

「大丈夫。 また来年になれば、きっと花を咲かせるから。」
と、たんぽぽがいくら言っても、まるで聞きません。

様子を見てオロオロしている、たんぽぽの綿毛をそっと頭に乗せ、スイカちゃんは稲の子たちのそばに行きました。

「たんぽぽさんは、また必ず花を咲かせるから。
 みんなのその気持ちに応えるためにも、絶対。」

言葉を聞こうとしない稲の子たちに、そう言った後、そっと静かに、そしてやわらかな歌声で、その気持ちを伝えます。

「♪母なるたんぽぽ 稲の子を和ませ 
  やがて生命を育むもととなる

  綿毛は希望をうけ 空高く舞いあがり
  遠い遠い彼方の地で 母の顔を思い出しながら
  黄色い花を咲かせるの

  小さな かよわき草も 
  やがて大きな樹木となり
  夢という名の 花を咲かせ

  希望という実を宿し 新たな命を吹き込んで
  そしてまた かえっていく・・・♪」

するとどうでしょう。 空から暖かな光が降り注ぐようになり、稲の子たちの沈んだ心を癒していきました。

スイカちゃんの歌声に、すっかり元気を取り戻したのは、稲の子たちだけではありませんでした。
たんぽぽやその綿毛、そして名も知らぬ小さな草たちまでもが上を見上げ、まっすぐにのびています。

稲の子たちとたんぽぽの綿毛は、お互いに抱きしめあって喜んでいます。

それを見たスイカちゃんはニッコリと微笑むと、そっとその場を離れようとしました。

「待って!」

稲の子の一人がスイカちゃんに声をかけました。

「ぼくも連れて行って。そして、スイカちゃんの行く先に待っている、ママさんの近くで立派な稲を実らせるんだ。」

スイカちゃんは感激して、頭の上にかんざしのように稲の子を乗せ、再び北海道を目指します。

さぁ、まずは北へ♪

投稿者:千 2006/06/12

「スイカちゃん物語り〜謎のフラメンコ編〜」

「ブエノス・タルデス!(こんにちわ)」
 辺りの騒がしさに、スイカちゃんがふと目を醒ますとずんぐりむっくりでヒゲ面の親父や赤ら顔のお兄ちゃん達が陽気に声をかけてきました。「ぶっ、ぶーです・たんです?」スイカちゃんはなんとか挨拶を返しながら周りを見回しました。酒場のような所に人が大勢集まって、皆一様に興奮をしています。

「ここはどこ?おじさん達は何してるの?」
 なんとなくスイカちゃんもワクワクしてきました。
「セニョール、ここはスペインのセビリアの酒場だよ」
「これからカルメンが一曲踊るんだ」
 カルメン?カルメ焼きのことかな〜?甘いかな?
「カルメンはスペイン最高のフラメンコ。めったに見れるもんじゃない。楽しんでいきなセニョール」
 じゃあ、ママさんに話したら喜ぶかも!!スイカちゃんは真っ赤なドレスのカルメンの後ろ姿を見つけ大興奮。フラメンコの開始です。ギターとカスタネットがメロディーを奏で始めました。

 タンタカタンタンタンタン、タンタカタンタン・・・・・

 好きなんだけど〜離れてるのさ〜 遠くで星を〜みるように〜・・・

「!!」なんと、振り返ったカルメンは西郷輝彦そっくりです。
 あまりの驚きに頭が真っ白になるスイカちゃん。もはや唖然、呆然、動けません。そんなスイカちゃんにカルメン輝彦が徐々に近付いてきます。

 君は僕の心の星 君は僕の宝 
 こわしたくない〜 なくしたくない〜
 だから 歌うよせめて 心の歌を ひびけ夜空に 
 星のフラメンコ〜星のフラメンコ〜

 曲が終わると同時に、スイカちゃんの目の前まで迫ってきていたカルメン輝彦のドレスが翻り、すっぽりスイカちゃんを覆い隠してしまいました。次にドレスが翻ると、もうスイカちゃんの姿は酒場から消えていました。しかしカルメン輝彦のフラメンコに魅せられ気が付く人はいません。
 
 いったい何所へ行ったのか。
 スイカちゃん、とうとう謎の失踪!?
 
 何か知りませんか?にゃんこさん・

スイカちゃん、遠野へ
投稿者:にゃんこ 2006/06/15 04:02:13

ドンドンドン♪ ピーヒャララ♪
耳を澄まして聞いてみると、赤いドレスの中で聞こえてくるのは、軽快な祭囃子。

「???」

さっきまでの情熱のリズムに乗っていた酒場とは、何か雰囲気が違うような・・・・。
いったいどうしたことでしょう?

その瞬間、赤いドレスがバッ!
ドキドキしてきたスイカちゃんの心の準備を待つ間もなく、明るい外の光がスイカちゃんを包み込みます。

スイカちゃんがゆっくりと周りを見渡してみると・・・。

・・・・・山の中? それも小さな村のよう・・・。
さっきまで、スペインの酒場にいたハズなのに、どうして????
と、いくら考えてみても、答えは出てきません。
わかっているのは、ココはすでにスペインの酒場ではなくなっていたことだけ・・・。

スイカちゃんが落ち着いてよく見てみると、どうやらこの村ではお祭りの時のようです。

「ブエノス・タルデス!」

スイカちゃんが元気に村の人々にスペインの挨拶をすると、村の人々はあっけにとられて、

「何言ってるんだ?」

あれれ・・・日本語です・・・。

「いったいどこから来たんだ?」

どうやら、再び日本に戻ってきたようです。

スイカちゃんがおそるおそる、
「ココはどこですか? それにこの村は・・・。」

そう、スイカちゃんが場所だけでなく、この村そのものを不思議に思うのもムリはありませんでした。
この村の人々には・・・・シッポがあるのです!

村の子供がスイカちゃんに近づいてきて、明るい声で話してきました。

「ココは岩手県の遠野っていうんだ! その山の中さ♪」

「そして、ココはキツネの村。 今はちょうどお祭りの季節なんだよ。 ようこそ、スイカちゃん♪」

なんとスイカちゃんは、スペインの酒場から一転、日本の岩手県に着いていたのでした。

「ブエノス・タル・・・あ、いえ、こんにちは。お祭りの時期で、皆さん楽しそうですね♪」

と、スイカちゃんが言うと、
「スイカちゃんも一緒にお祭りを楽しんでいきなよ♪」

人見知りのない笑顔で、村のみんなは暖かくスイカちゃんを迎えてくれました。

スイカちゃんはお言葉に甘えて、お祭りの準備を手伝いながら、みんなと会話を楽しんで、そして日暮れ時に近づく頃、いよいよお祭りの始まりです。

「さぁ、今夜はお祭りだ! 今日は思いっきり楽しもう!!」
と、村長さんが大きな掛け声をかけて、
「今夜はステキなお客さんがいます。」

と、スイカちゃんを紹介した後、「ぜひ楽しんでってください♪」と、みんなからの大きな歓迎の声。

見ず知らずの自分にこんなにしてもらえたスイカちゃんは、その温かい心に包まれ、うれしさでいっぱいです。

その夜は、飲めや歌えの大騒ぎ♪ そしてあっという間に時は過ぎていきました。

お祭りも終わり、夜も遅くなってきた頃、村の1人がスイカちゃんに、
「夜も遅いから、よかったらウチに泊まっていきなよ。ちっちゃいのもいてうるさいだろうけど、それでもよければ。」

スイカちゃんはお礼を言い、さっそくキツネの家に上がらせてもらい、寝床につきました。

ところが、隣で寝ているハズのキツネの子が、布団の中で何かつぶやいています。

スイカちゃんが気になって話しかけてみると、どうやらキツネの子は、夜が怖くてなかなか寝れないようです。

スイカちゃんは、そこでそっと歌をうたってあげました。

「♪闇夜に浮かぶ月は 心の光
 不安な心を照らすように ひらりひらり

 影の先には必ず 明るい光があるの
 足元を見てこわがらないで 
 あなたにそっと手をさしのべるように
 いつでも 月はあなたを見ている・・・♪」

スイカちゃんが歌い終わる頃には、キツネの子はスヤスヤと寝ついたようです。

そっと微笑みながら、布団をかけ直してあげたスイカちゃんも、やがて眠りにつきました。
明日には、出発しなくては・・・・・。

ちょこっと長かったかなぁ?(^^ゞ
ママさん、スイカちゃんは岩手まで来ましたよ♪

「スイカちゃん物語〜遠野編〜」

投稿者:千 2006/06/16

 ぴゅーぴゅー、ざわざわざわ…

 外は大分風が強くなってきたようです。スイカちゃんは誰かに呼ばれたかのように目を醒ましました。隣で小ギツネが幸せそうに眠っています。祭の参加者は皆家に帰ったのか祭囃子も聞こえてきません。

 何だかドキドキする…。スイカちゃんが障子に視線をやると、障子の向こうがポウッっと明るくなったような気がしました。なんだろう…恐いよう…恐いけど…。
 寝ている子ギツネをチラリと見やって「よしっ」と気合いを入れると、スイカちゃんは「エイヤ」と思いっきり障子を開きました。

 あ〜あ〜ああああ〜あ、あ〜あ〜あああああ〜…

 そこには火を灯したぼんぼりを下げ、さだまさしが立っていました。さだまさしの顔はぼんぼりに下から照らされて、普段よりも恐ろしさが増しています。あまりの恐怖にスイカちゃんは動けません。

「北海道に行きたいんだろう?付いてきなさいよ。」

 さだまさしはニヤリと笑いかけてきました。スイカちゃんはハッとしました。
 そうだ、怖がってちゃダメだ!ママさんの所に行かなきゃ!
 スイカちゃんは後ろを振り返り、寝ている小ギツネに心の中でお礼を言って立ち上がりました。既にさだまさしは暗闇の中へ歩き出しています。

 「ママさんの所に行かなきゃ!」
 ぎゅっと両手を握りしめスイカちゃんは嵐の夜の中へ走り出しました。

スイカちゃん物語(ゴールイン)
投稿者:にゃんこ 2006/06/19 01:53:16

緑の道をひたすら駆け抜けていくスイカちゃん。

走りながら周りを見渡すと、今までのスイカちゃんの体験してきたことが思い出されるように映っています。

イギリス、カナダ、スペイン、そして新潟に岩手・・・。
時には太古の時代へ行くこともありましたね。

それぞれの地で、いろんな出会いがあり、そして別れもありました。
しかし、その数多くの体験が、スイカちゃんにとっては最高の思い出として残っているのです。

・・・・・やがて、周りの緑の道が、スイカちゃんを包み込むような動きを始め、細長いトンネル状になっていきました。
その中を走り続けるスイカちゃんに見えるものは、細長く暗いトンネルの先にある、うっすらとした光だけでした。

その光が果たして出口なのか? それとも幻の光なのか・・・・。
何もわからず走り抜けるスイカちゃんに、頭の上の稲の子とシダ帽子が話しかけます。

「スイカちゃん、今までの体験、ご苦労さま。」
「さぞ疲れたでしょう。 さぁ、ゆっくり休むといいよ。」

その言葉にスイカちゃんは、
「いいえ、今は一刻も早く、ママさんのもとへ行かなくては・・・。
わたしが体験してきたこと、特別な想いをすべてママさんに伝えるために。」

すると、稲の子はさらに問いかけます。

「今までにスイカちゃんと離れ離れになってきた者たちに、今一度会ってみたくはないのかい?」

「中にはスイカちゃんと泣きながら離れることになってしまった者もいるんでしょう?」

その問いかけにスイカちゃんは、涙をこらえながら、
「わたしが今までに出会った方々、そして楽しさ悲しさを分かち合ってきた気持ちは、すべては大切な想い出です。
その想い出を胸に、わたしは今まで旅を続け、そしてその目的はママさんのいる札幌に行くためなのです。
それをわかってくれた人達の気持ちを無駄にはしたくありません。」

そして、涙ながらも強い口ぶりで、
「早くママさんのもとへ!」

と、スイカちゃんが言った瞬間、緑で出来た細いトンネルの先の光が、目の前に近づいてきました。

稲の子とシダ帽子は、ニッコリと笑って言いました。

「よく最後の問いかけに応えてくれましたね。」

「あなたのママさんを思う強い気持ち、そしてすべての者を大切にする心、たしかに見せていただきました。」

「さぁ、ママさんのもとへお行きなさい。」
「ママさんが首を長くして待っていますよ。」

なんと、稲の子とシダ帽子は、神の使いだったのです。
旅の途中でさりげなくスイカちゃんに近づき、スイカちゃんの様子を見ながら行動を共にしていたのでした。
そして、最後にスイカちゃんの心を試す最後の問いかけをし、それに見事に応えたスイカちゃんに札幌の街をプレゼント♪

ママさんが目の前を歩いていますヾ(@⌒▽⌒@)ノ

稲の子とシダ帽子は、
「さぁ、スイカちゃん。 歌でママさんを呼んであげましょう。」

スイカちゃんの今までの気持ちを込めて・・・・。

「♪♪すべてのことは この時のため
   ひとつひとつの想いが この場所に集まる

   出ておいで 絆でつながった仲間たち
   今こそここで 語り合おうよ
   
   それぞれの心が やわらかな風になり
   やがてあなたを優しく包んでいく

   ここにいるよ いつもいるよ
   大切な想い出と みんなの笑顔で
   あなたの心は 光あふれる空になる♪♪」

スイカちゃんの清い歌声に、ママさんが振り向きました。

ママさん「ようこそ、スイカちゃん。 たくさんの旅、ごくろうさまでした♪」

スイカちゃん「ママさん!」

不思議な七色の光を放つスイカちゃんを、ママさんはあたたかく抱きしめました。

ーーーーーEND−−−−−

ママさん、スイカちゃんがママさんのもとへ届きましたよ♪

たっぷりの絆と想い出がつまったスイカちゃんをどうぞヾ(@⌒▽⌒@)ノ

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